2014年9月3日水曜日

こどもといっしょに たのしく さんすう


渡辺恵津子「こどもといっしょに たのしく さんすう(考える力を育てる学習法)小学1〜3年」一声社


「数遊びを通して数の理解を深めよう」という本。
アマゾンでの評価が高かったのでなんとなく購入したのですが、読んでびっくり!その内容が凄いのです。

「3あつめ」は一年生の子供達が、同じ仲間のものを三つ集めるという話。

教室の生徒が本を3冊、ボールを3個、カサを3本など集めてくる中で、圭介君は「石ころ、木切れ、ガラス片」を集めてきます。
「これでは何の仲間を集めてきたのかわからない!」という意見が出てきて、圭介君が集めたものは「本当に3なのか?」と議論が始まります。
結局は「ゴミ(の仲間)が3つ」と落ち着くのですが、なんか釈然としません。

このエピソードから集合をつくるには同じ性質・性格を持つ必要があることが解ります。
「石ころが1個、木切れが1本、ガラス片が1枚、合わせて3個本枚??」
それぞれの性質・性格が違うものだと、助数詞をつけて数えることもできません。
 
続いて「水滴を3粒集めてきた」という子がビニール袋を持って登場。
またもや議論が始まります。
「3粒なんか見えない」
「水は数えれない」と喧々諤々。

このエピソードからは分離量連続量を学習できます。

分離量とは細かく分割できないものです。上記でいえば本、ボール、カサが分離量にあたります(例えばボールを二つに分割したら、それはもうボールではありません。ただのゴミです^^;。カサや本も同様です)
一つ、二つと数えれるのは分離量だけです。

それに対して、連続量はどこまでも分割できるものです(水はどんなに細かく分割しても水です。長さ・重さ・時間・温度などもそうです)
どこまでも分割できるため、連続量は一つ、二つと数えれません。
そのため便宜的にm、㎗、分、秒、kgといった単位を使用します。
この連続量は単位の換算や小数に繋がる大切な学習です。


「こんな本が沢山出回ったら、ウチの教室の存在価値が危うくなる!?」と危機感を感じさせるほど、この本は良く出来ております。
いい本に巡り会えました。