SSKCLUBの会報第42号が出来上がりました。
レポートの作成は本当に大変なのですが、こうして自分の名前が出ているのを見るとやはり嬉しいですね!
今回のレポートではものを数える技能である「計数」を取り上げました。
大人からすると数えるという行為は極めて簡単なことです。
しかし、その計数力を身に付けるまでにはいくつかの発達過程を経る必要があります。
アメリカの心理学者ゲルマンは計数には5つの原理が必要であることを指摘しました。これは「計数の5つの原理」として発達心理学や教育心理学の世界では広く知られています。
【計数の5つの原理】
①
一対一の原理
必ず1つのモノに1つの数詞を割り当てて数える。
正)○←1 ○←2 ○←3 ○←4
誤)○←1 ○←2 ○←スキップ ○←3
② 安定した順序の原理
計数する際に用いる数詞は常に「いち」「に」「さん」「し」・・と同じ順序で唱える。
正)いち に さん し ご ・・・
誤)いち に さん ご ろく ・・・
モノ(集合)を数えたときに、最後の数詞がそのモノ(集合)の大きさの全体を表す。
正)○←1 ○←2 ○←3 ○←4 ○←5 ○は全部で5個ある
誤)○←1 ○←2 ○←3 ○←4 ○←5 ○は全部で4個ある
計数するモノの色や形・大きさに関係なく、数として正しく数えられる
正) 大人も子ども1人として数える
誤) 大人は1人だけど、子どもは小さいから1人ではない
正しく数えれば、モノ(集合)をどのような順番で数えてもよい。
例) ○←3 ○←2 ○←1 ○←4 ○←5
ゲルマンの原理には批判もあるようですが学術的なことはともかく、上記の原理が一つでも欠けると「計数」ができないことは確かです。
今回のレポートではゲルマンの原理をふまえたうえでの「日常における計数」を考察しました。
―計数の原理 その②へ続く―